商人 #2
お客様のお顔を思い浮かべながら
洋服を仕入れています
SCROLL
ファッションコーディネーター
横山 真理子
STORY
たくさん服を着てもらい、楽しく過ごしてもらう。
コンサバ、エレガンス、カジュアルと幅広いブランドの洋服をはじめ、ハンドメイドアクセサリー、バッグ、靴なども豊富に取り揃えている「Pros – Y」さん。昭和21年創業、2代目店長である横山真理子さんに商人として大切にしているマインドをお伺いしました。ちなみに店名の由来はProsperity(繁栄)をYou(あなた)とともに。ということです。
――以前は紳士服も取り扱っておられたそうですね。お店が出来た経緯を教えてもらえますか?
そうなんです、昔はヨコヤマ洋服店という店名で1Fが紳士服、2Fに婦人服という形態でやっていました。どちらかというと紳士服のお店として通っていました。ただこれからの紳士服店は100坪ないとできないと言われておりましたし、某大手紳士服会社が近くにできたりと時代の変わりを察して紳士服を取り扱うのは辞めました。婦人服なら小規模でもやっていけますし、私のテニス仲間やお友達を伝ってどうにかやっていけるのではと思って引き継いだんです。
――店内は様々なブランドの洋服が整然と陳列されていますね。
当初はイトキンのワンブランド専門店だったんです。「ガストーネ」というブランドの洋服で始めていたんですが、20年くらい前に急にイトキンがお店の経営形態を直営だけに切り替えるということになって、今のようなセレクトショップに移行したんです。今までワンブランドに頼っていたので最初は取り扱うブランドに戸惑いましたね。でもなんとか取り扱いブランドを探しまして、現在は9社12ブランドを取り扱えるまでに至りました。
――表町でお店をされてよかった点がありますか?
やはり天満屋あっての表町商店街です。定期的に天満屋で行われている天満屋カード会員さま向けの特別招待会、いわゆる「特招会」によかったら商店街さんも参加しませんか?とご提案くださったんです。天満屋の顧客様にご案内してもらえるので、私どももお客様とお会いする機会が増えて大変よかったです。
また天満屋、クレド、ロッツ、商店街の4団体が「ミンナ表町」という名称で統一セールをしたり、イベントや清掃などのボランティア活動も一緒にやっています。近隣の大型商業施設と連携でき、相乗効果が期待できる点も魅力です。
何はともあれ「表町」という地名は岡山の皆さん良くご存じなので、ここでやっていてよかったです。
年齢よりちょっと若く見えることを意識
――長年通われるお客様が多いとお聞きしましたが?
長い方で40年にもなるお客様もいらっしゃいます。私が28歳のときにお店を引き継いだんですが、その時のお客様とともに年齢を重ねています。なので基本的に自分の年齢にあった洋服を揃えていますが、実年齢よりちょっと若く見える洋服を意識しています。洋服を仕入れるときにお客様のお顔を思い浮かべるんです。これはAさんに、これはBさんにって。お付き合いが長いのである程度想像ができるんです。長い間来て頂けることは本当にありがたいです。
お母様からお嬢様へ
――若い方もお越しになられるんですよね?
最近はいわゆる「親子買い」の方々が多いですね。私と同世代の長年のお客様がお嬢様と一緒に来店してくださいます。お母様が買って帰った洋服をお嬢様に取られた、というお話もよく聞きますね。お嬢様が買った洋服をお母様が着られることはあまりないですが、逆は意外によくあるんです。接客時にこの洋服はお嬢様に渡りそうだな、と想像してしまうこともあります。(笑)
気楽に色んな洋服を挑戦してみて欲しい。
閉店後に個別対応も。
――お客様をお迎えするにあたってのモットーは何ですか?
お客様にストレスを解消してもらうことです。お店でいろんなお話をしながら、たくさんの洋服を着てもらって、楽しく過ごして帰ってもらいたいんです。実際、こんなに着てしまったわ!と言って帰っていかれるお客様も多いです。普通買わないのにいっぱい着るのは申し訳ないって思われるんですが、うちのお店では気楽に色んな洋服を挑戦してみて欲しいですね。買わなくても、楽しかったって、言って頂けるお店でありたいです。
また商品が入荷した時点で、こういうのが入りましたよ、って写メを送ってお客様にお見せしたりもしますし、お昼は忙しく夜にしか来られないお客様には、閉店後でも22時くらいまでなら個別に対応しています。あの店のあの人から買いたい、と思ってもらえるようになりたいです。
――最近は洋服をネットショッピングで購入される方が急増していますね?
ネットでの売り上げも伸びてきていますが、やはり画像だけでは素材感やサイズ感がわかりにくいですし、色もやはりちょっと違うんですよね。うちのお店は表町という岡山の中心部で交通の便の良いところにありますので、実際にお店に足を運んで頂き、洋服に手を通してもらって、肌触りや着心地、サイズ感を是非体感してもらいたいです。
SHOP INFO
Text : Yuichiro Tanaka / Photo : Sonoko Tanaka